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自社で要件定義書を作成する必要性



<<前回の続き>>

 今回はQCDの視点での要件定義の重要性について見てみましょう。ここでも面白い(?)データをご紹介します。

 QCDについては過去何度もご紹介していますが、Qは「品質(Quality)」、Cは「予算や費用(Cost)」、Dは「開発期間や納期(Delivery)」を意味します。



 下は、以前ご紹介したJUAS(日本情報システム・ユーザー協会)発行の「企業IT動向調査報告書」2010年版に紹介されていたデータ(500人月以上の規模のプロジェクトが対象)です。

 要件定義書の詳細部分を自社で作成するかベンダーに作成を委託するかでQCDにどのような差が出るかを示しています。    




 自社で要件定義書の詳細部分まで作成した場合でも、Q(品質)に「満足」と回答したのは18%で、61%が「ある程度満足」、「不満」が21%でした。

 これに対してベンダーにそれを委託した場合の「満足」はたった3%、「ある程度満足」が45%、そして「不満」はなんと53%に上っています。    






 C(予算)についてはどうでしょう。自社で要件定義書の詳細部分を作成出来た場合には「予算通り」が24%、「ある程度予算通り」が40%、「予算を超過」が35%です。

 これがベンダーに委託した場合には、「予算通り」が0%、「ある程度予算通り」が26%、「予算を超過」が74%です。この圧倒的な差がお分かりになりますか?  




 D(開発期間)のデータはCのデータに近くなりますが、詳細部分自社作成の場合には「予定通り」が26%、「ある程度予定通り」が39%、「予定より遅延」が35%でした。

 これに対して、ベンダーに委託の場合には、「予定通り」が5%、「ある程度予定通り」が24%、「予定より遅延」が71%となっています。





 これらのデータをご覧になって分かるように、要件定義書の詳細部分を自社で作成しても数値的には決して良いとは言えない状況なのですが、ベンダーに委託した場合には「QCD面においては、ほぼ間違いなく失敗する」と言えるのではないでしょうか。

 この状況をしっかり記憶しておいて下さい。      






 同じく「企業IT動向調査報告書」のデータですが、失敗企業の反省点の1位と2位が、3位以下に圧倒的な差をつけています。

 まずその1位が「システム仕様の定義が不十分なまま発注」、2位が「発注先に要求仕様条件を明確に提示しなかった」です。




 ちなみに3位は「発注先の進捗管理を十分に行っていなかった」、4位は「発注先をコンペさせなかった」、5位が「事前に発注先の体制、能力をよくチェックせず発注」でした。  

 いかに自社での要件定義書作成が重要かを、お分かり頂けたでしょうか。

<<次回に続く>>




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