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思い起こすべき失敗

<<前回の続き>>
 そして次に、プロジェクトをQCDという制約の中で、想定できるリスクに早期に手を打ち、想定外のリスク(問題や課題)を早期に発見して解決し、プロジェクトを計画通りに完了させることが求められる訳です。

 しかし、プロジェクトでは、このQCDの遵守も重要ですが、前に書きましたように、プロジェクトの目的(目標効果)が達成されなければ、いくらQCDが守れても意味がありません。



 分かりますよね。逆に目標以上の効果を創出できれば、たとえQCDが完全には守られなくても投資を意思決定した経営者には許されるでしょうし、全社的にも成功プロジェクトとして認められると思います。

 ここで極端な言い方をしますと、要求の定義とその周知徹底、要求の実現は主にユーザー企業自身の責任、ITプロジェクトのQCDを守るのがベンダー側の責任になります。


 ですから、ユーザー企業内の管理である「ユーザー・マネジメント」と、ベンダーがQCDを守るためにユーザー企業がベンダーを管理する「ベンダー・マネジメント」の両方が求められることになります。

 ここで1つ面白い「ユーザー・マネジメント」の失敗事例をご紹介します。

 ご本人たちにとっては笑い事ではなく、苦い経験だったことは承知していますので、お許し頂けたらと思います。ベンダー・マネジメント失敗事例はご紹介せずとも多くの方が経験されているでしょう。



 1990年代の後半あたりからERP(Enterprise Resource Planning)パッケージ・ソフトウェアの導入ブーム的な流れが起き、大手企業を中心に多くの企業がERPパッケージの導入を行いました。

 その「ERP導入プロジェクト」の目的が何であったかというと、1つには2000年問題の解決手段ということもありましたが、目的の多くがERP導入によるBPR(Business Process Reengineering:業務プロセスの革新)の実現でした。



 ERPパッケージには欧米先進企業の業務プロセスが組み込まれており、それを導入することで、自社の業務プロセスを世界標準的なもの、先進的なものに置き換えられる、革新できると考えられた訳です。

 そして、それらのERPパッケージは既に欧米の多くの企業で導入されており、バグ(不具合)がつぶされて「品質」も高く、自社でゼロから(スクラッチ)開発するよりも「早く(速く)」「安く」導入できるということも経営者の説得材料として使われました。


 ですから、当時のERP導入の多くは、業務革新、短期導入、安価導入(自社で開発するよりも)、高品質ということで多くのプロジェクトが経営者に承認され、立ち上げられ、ERPの導入作業が開始されました。



 皆さんお気づきのように、「業務革新」が目的(要求)で、Q(高品質)C(安価)D(短期導入)も確実にクリアできるというのが謳い文句だった訳です。







 しかし、実態はどうだったと思いますか?
 苦笑いされている方の顔が見えるような気がします。

  <<次回に続く>>





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