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IT導入時のQCDの実状

<<前回の続き>>

 前々回のコラムでも書きましたように、ITプロジェクトでは目標とするQCDを完璧に守れたとしても、目標効果を実現できなければプロジェクトとして成功したとは言えません。

 プロジェクト管理においてユーザー企業に求められることは、ユーザー・マネジメントとベンダー・マネジメントの2つです。

 プロジェクトの目的を果たすためには確実な「ユーザー・マネジメント」が求められます。




 また、QCDを遵守するためには、精度の高い要件定義を確実に行うための「ユーザー・マネジメント」と、ベンダー側の管理の精度を高めるための「ベンダー・マネジメント」が求められます。







 JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)が毎年発行している「企業IT動向調査報告書」の2019年版(調査は2018年度)に、500人月(おおよそ5億円規模)以上の規模のプロジェクトのQCD遵守状況が表で紹介されています。

 2018年度のこの数値を前年(2017年度)と比較しましても、QCDいずれの数値はほとんど改善されていません。





 まず「工期(D)」の遵守状況をみますと、「予定より遅延」の43.9%に対して、「予定通り完了」がなんと23.4%です。残りの32.6%は「ある程度は予定通り完了」とのことですが、遅れが出たことには間違いないでしょうし、リリース日遵守のための分割(フェーズ分け)実施も含まれると推察します。

 ですから、納期を遵守できたプロジェクトは全体の2割強しかなく、明らかな遅れが約4割超であると読み取れます。




 次に予算(C)の遵守状況がどうかと見てみますと、やはり「予定より超過」が41.7%で、「予定通り完了」はたったの28.8%しかありません。

 品質(Q)につきましては、「不満」の23.8%に対して「満足」は23.0%しかありません。この「品質」には機能面での満足度も含まれると推察しますが、この実態をどうご覧になりますか?





 このQCD全てが「予定通り」あるいは「満足」である比率はどうでしょう。最大でも23.0%しかないということになります。つまり、いずれも満足なプロジェクトは4件に1件以下であるということになります。これが実状なのです。



 プロジェクトのQCDだけを見てもこれが実態です。前々回のコラムでも書きましたが、私はここには大きな原因が2つあると考えています。1つがユーザー企業側の要件のなし崩し的な追加と変更、もう1つがベンダー側の管理不足です。




 この両方の改善が、少なくともプロジェクトのQCD面での成功確率を大幅に高めると信じています。

<<次回に続く>>







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