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著作権条項での留意点


 著作権に関して、経産省の「モデル取引・契約書」には、A案、B案、C案の3つが記載され、それぞれの説明が行われています。

 A案はすべての著作権をベンダーに帰属させるという案です。

 そしてB案は、汎用利用が可能なプログラム等の著作権をベンダー、それ以外をユーザー企業にという案、C案は汎用利用が可能なプログラム等の著作権をベンダー、それ以外を共有にするというものです。

 そうです。多くのユーザー企業が望む、すべての著作権をユーザー企業に譲渡するというD案(?) の記載がありません。

 ここでも私が言う「モデル契約書は6:4でベンダーに有利」という発言をご理解頂けると思います。

 皆さんご存じのように、著作権はそもそも書いた(描いた)本人に帰属しますが、ベンダーの従業員の著作物(仕様書やプログラムなど)の著作権は、入社時の雇用契約等でその著作権を会社に帰属させることになっているところが多いと思います。

 ですから、たとえユーザー企業がシステム(ソフトウェア)開発に多額のお金を出していても、著作権は著作者自身すなわちベンダー(あるいは著作者である従業員)に帰属します。

これは大切なポイントですので覚えておいて下さい。

 第三者が描いた絵を買った場合、お金を払って曲を作ってもらった場合でも著作権は著作者本人に帰属するのと同じです。

 著作権に関連して、著作者人格権についても知っておきましょう。この著作者人格権は著作者本人の名誉を守るための権利で、「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」という3つの権利からなっています。

 「公表権」は、著作物の公表をするかしないか、公表の時期や方法を決定できる権利です。ですから、著作者に無断で第三者がその著作物を公表することができません。

 「氏名表示権」は、著作物を公表する際に、実名やペンネームを著作者名として表示するかしないかを決定できる権利です。

 3つめの「同一性保持権」は、著作者本人の意に反した著作物の改変を受けない権利で、以前話題になったことがありますが、歌手(第三者)が著作者の承諾なく歌詞を勝手に変えてはならないというものです。

 この著作者人格権はその性格上、著作権とは異なり権利の譲渡を行うことが出来ません。

 しかし、著作権の譲渡を受けていても著作者人格権、例えばプログラムの同一性保持権を主張されると、独自に改変しようとするときに困るようなケースも出て来ますよね。

 そうしたことを排除するために、「著作者人格権を行使しない」という文言を契約書に加えます。


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