タグ: , , ,

損害賠償条項における留意点


 前回、前々回
の「モデル取引・契約書」の話の中で損害賠償について少し触れましたが、ここで改めて損害賠償に関する条項で知っておいて頂きたいことをお伝えします。



   まず、「はじめに」で少し触れましたが、損害賠償請求に関する条項に「直接の結果として現実に被った通常の損害」という文言をよく見かけます。  


 一見簡単な文章ですが、皆さんは意味がお分かりになるでしょうか。


 おそらく多くの方は「直接の結果」「現実に被った」「通常の損害」という言葉それぞれの意味を具体的に確認されたことがないのではないでしょうか。  


 
 「直接の結果」というのは、間接的被害や二次的被害を含まないということで、例えば銀行のシステムが止まってしまって支払いができず、それによりどこかの会社が倒産してしまったとすると、支払いができなかったところまでは損害賠償の対象とするけれども、その影響を被った会社の倒産に対しては損害賠償の対象としませんということです。  






 「現実に被った」
というのは、お金などの資産が現実的に減ったという損害が典型です。例えば、システム障害のために緊急に手配した人などに対して発生した費用は、現実に資産が減る訳ですから、損害賠償の対象になります。  








 他方、システムが止まっていなかったら、10億円の売上げがあって、2億円の利益があったはずという損失については、具体的な規定次第であるものの、ベンダー側は、そこまで含まない、と主張してくる可能性も否めません。  






 

 「通常の損害」というのは通常予見しうる範囲の損害ということで、「特別の損害」を含まないという意味です。「特別の損害」というのは、通常予見しえない範囲の損害のことですが、もし当事者が予見し得た場合には損害賠償責任を問われます。  








※(株)プラッサムの「IT人材育成支援(研修)サービス」のご案内は こちらです。

※Amazon Kindle本「IT契約超入門」は、