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モデル取引・契約書について(つづき)


前回からの続き)


 ベンダーの営業担当者が「『モデル取引・契約書』に従って作成しました」と言って来ても、ベンダーに有利な案を引用したり、自分たちに不利な条項を削除したりということもあり得ます。  

 ですから、少なくともユーザー企業各社にとって重要な条項は、「モデル取引・契約書」を手元に置いて、ぜひ文言の意味を理解しながら精査して頂きたく思います。    



 もしある条項の記載がなければ、一般的に民法や商法の規定が、記述があればその契約書の記述内容が優先されますので、できれば民法、商法の関連条項の確認もして頂けたらと思います。    


 例えば、「モデル取引・契約書」の損害賠償に関する条項の第2項に、損害賠償請求額について「帰責事由の原因となった個別契約に定める○○○の金額を限度とする」と記載されています。  



 ユーザー企業の皆さんはこのどこに問題があるかお分かりになるでしょうか。
   


 この内容では、例えばプロジェクト総額が1億円でも、問題の原因となった工程の個別契約金額が2,000万円であるとすると、この2,000万円が損害賠償請求金額の上限となってしまいます。  



 実は民法では限度額が規定されていません。契約書にこの条項がなければ損害賠償請求額の上限が無いのに、あえてこの条項で上限を設定してしまうことになります。  



「故意又は重大な過失に基づく場合は(上限の規定を)適用しない」という文言に迷わされないようにしましょう。  


 故意又は重大な過失でなくても損害賠償を十分に請求したいはずです。    


<次回に続く>




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