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モデル取引・契約書について

 
 「情報システム・モデル取引・契約書」
を経済産業省が2007年4月13日に公表しました。  

 もともとは、IT(情報システム)の大きな障害が増え、深刻な社会的影響がたびたび起きるようになり、これを解決しようとその原因や課題を整理し、ユーザー企業とベンダー企業間の取引を一層可視化して、役割分担も明確にしようとしました。その解決策の1つがこの「モデル取引・契約書」です。  


 経緯の詳細はぜひ本文をお読み下さい。        


 この「モデル取引・契約書」では、工程ごとに「請負契約」と「準委任契約」を使い分けるように勧めています。  

 ユーザー企業が主体となるべき要件定義工程や基本設計工程等、開発仕様が確定するまでは発注者が管理責任を負う「準委任契約」、仕様がほぼ確定してからシステムテスト工程までのベンダーが主体的に作業する工程を「請負契約」、ユーザー企業による受入れテストや運用テスト以降には「準委任契約」を推奨しています。      



 また、ベンダーによる協力ソフトウェア会社への再委託に対するユーザー企業の承認をどうするかについて、ユーザー企業に承認を必須とする意見とベンダーに任せるべきとの意見に分かれたそうで、A案B案として併記されています。  

 ただし、当たり前でしょうが、ベンダーが再委託をする場合には、そのプライムベンダーがユーザー企業に対して負うのと同様の義務をその再委託先に負わせる契約を締結することを勧めています。      


 「モデル取引・契約書」には、このような条項例に対する議論の内容や結論までの経緯や背景が具体的に書かれており大変参考になります。ぜひ一読されることをお勧めします。      



 ただ、ユーザー企業の方に1つ知っておいて頂きたいのは、この「モデル取引・契約書」は「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」がまとめたものだということです。  

 この研究会はベンダー企業の代表数社、ユーザー企業の代表数社、複数の法律事務所で構成されていますが、もともとはベンダー企業側で検討が進められていたところに、ユーザー企業も後から参画したという経緯があります。      



 従いまして、例えばベンダーに有利なA案、ユーザー企業に有利なB案、折衷案としてのC案の記載といった配慮はありますが、少なくとも私には、全般的に6:4で内容がベンダーに有利ではないかと感じています。  


<次回に続く>


   


 

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