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RFPにベンダーへの依頼事項を書く(その1)

ここ何回かRFPの書き方について書いていますが、今回から3回くらいに分けて、RFPに書いておくべきベンダーへの依頼事項についてご説明します。
今回は内容的に面白くないと思いますが、ご容赦ください。
※項番はこのRFP書き方シリーズの中での番号です。

4.1 作業内容と範囲について
どこまでの作業を発注しようとしているのか、対象の業務範囲とベンダーの作業フェーズを明確にしておきます。
関連する現行システムにも変更が発生する場合には、それも対象とするのか、インターフェイスを開発する場合、片側の開発だけなのか、両端なのかも明記します。
またマニュアル作成、ユーザー・トレーニング、ハードウェア導入、開発完了時のベンダーから自社への技術移転など、必要と考えられる付帯作業も全て記載して、ベンダー側の作業計画や見積りの漏れを防ぎます。

4.2 作業期間、作業場所について
プロジェクトのスケジュールの中で、いつ作業に着手してもらい、いつまで作業をどこで行ってもらうのか、いつまでに必要な作業を完了させて欲しいのかを明記します。
また上位プロジェクトなどとの関係で、開発上のポイントがあれば、いつまでに何を完了していなければならないかも記載しておきます。
システムの稼働開始後の定着化、安定化や技術移転も委託したいのであれば、それらの希望期間も記載しておきます。

4.3 開発環境と貸与設備・資料について
開発環境(サーバ、PC、ソフトウェア、各種ツール、ネットワーク、開発専用ルーム等)の貸与を行う場合には、利用条件や規定、注意事項、管理責任者等について記載します。
またドキュメント類の貸与については、コピー(電子化を含む)や持ち出し禁止、利用終了時の返却や処分方法について記載します。
これらの環境には機密情報や重要資産が含まれることが多いため、セキュリティ面での厳重管理の依頼等を記載しておきます。

4.4 機密管理について
4.3で機密管理について触れていますが、ここで改めて社内の機密管理規定や文書管理規定等を基に、ベンダーに知らせておくべき事項、対応を依頼しておくべき事項を整理して記載しておきます。
4.5 納品物について
下記のような、開発の過程や完了時点でベンダーに納品して欲しいドキュメントやソフトウェアなどについて、何をいつどのような媒体で納品して欲しいかを明記しておきます。

また、納品前にベンダー社内で厳重な検査を行い、納品書に責任者の押印(朱肉)を求めておきましょう。
昨今では、ベンダー担当者が作成したものがベンダー内での十分なチェックを受けないまま発注者に納品される傾向が高まっていますので、要注意です。
- 開発計画書
- 機能仕様書
- ネットワーク設計書
- プログラム仕様書
- 機能変更履歴書
- プログラム
- 運用パラメータ
- データ移行仕様書
- 各種テスト計画書
- 各種テスト仕様書
- 各種テスト結果報告書
- ユーザーズ・マニュアル
- 運用マニュアル
- プロジェクト完了報告書
- 各種会議資料と議事録
次回(年明け)は、ベンダー側での管理のあり方や、費用見積もりに関する依頼事項についてご説明します。
では皆さま、一層良い年をお迎えください。

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