すぐ(スグ?)に身につくコラム
タグ: ベンダーマネジメント, ITコスト削減, ベンダー管理
6つのITコスト削減事例で学んで頂いたこと

今回のコラムがちょうど第100回となりました。 皆さまのお蔭です。心から感謝いたします。
さて今回も、今年(2016年)3月3日に発行させて頂いたAmazonのKindle本(電子書籍)「ITコスト削減 超入門」の中からのご紹介です。
前回までこのコラムで6つのITコスト(SIコスト)削減の事例をご紹介してきました。ここで一度まとめをしておきましょう。

まず最も大切なことですが、会社のお金(または税金)を使う以上、「説明責任を果たす」ことの重要性を自覚しましょう。なぜそのベンダーに、なぜその金額で発注したのかを説明できるようにせよということです。
また、コスト削減が利益に直結して経営に直接貢献できることをもっと自覚しましょう。
ベンダーが提示した見積り内容を皆さん自身が十分に理解して、経営者を含む第三者に妥当であると明確に説明できることが非常に重要です。見積もり内容を理解する過程で、必ず削減可能な箇所の発見もできるでしょう。
もし、ご自身で十分な説明ができないようでしたら、できるようになるまでベンダーに依頼して情報を提示してもらいましょう。

B社の例で、RFPに見積りの内訳の記載例を示したり、その提示の仕方を評価基準として加えることを記載したりしておくと有効であることはお教えしました。説明責任を果たすためにこうした工夫をしましょう。
より詳細な情報をもらえば、無駄が自然に見えてきます。そうした時間を惜しんで無駄なお金をベンダーに払うのは直ちに止めにしましょう。
サービス仕様書に書かれている内容やユーザー部門がベンダーに直接依頼している内容も精査しましょう。抜き取り検査的で構いません。
問題が見つかったときに精査の範囲を広げれば良いのです。ユーザーの主張や要求は正しいのか、無駄はないのか、代替策はないのかを探ります。C社の例では常駐SEと時間を大幅に減らしました。

システムの保守運用ではベンダー側の作業品質管理や生産性管理が十分ではないことが多いこともお伝えしました。
ベンダーに嫌がられても、結果としてそれが双方のより良い関係構築につながると信じて、抜き取り検査等を行いましょう。それによって発見された問題や課題に対する解決策や改善策を考えてもらったり、両者で検討したりしましょう。
また、直接的なコスト削減ではありませんが、議事録等のドキュメントとしての納品物については、できるだけ早い段階で内容や品質に問題がないかをしっかり検証して、ベンダー(主にPMや責任者)に緊張感を持ってもらいましょう。

担当者が作成したまま、上長やPMの査閲が不十分なままユーザー企業に提出するケースが少なくありません。こうした指摘が、結果としてベンダー側の生産性向上(=コスト削減)にもつながるはずです。
ベンダーに一時的に嫌がられることがあっても、ベンダーとの関係悪化を恐れて何も言わないのが最悪です。
自身の説明責任を果たすこと、あるいは、無駄なコストを抑えて経営に貢献すること、ベンダーとの関係を一層良好にすることがその目的であることをしっかり自覚すれば、自信をもってベンダーに一言と言えるはずです。ぜひ勇気をもって前に向かって進んで下さい。

その他、金額が大きな場合や長期的な視点が必要な場合にはトップ対トップで交渉すること、日頃からベンダーに借りをつくらず、ビジネス・パートナーとして対等に付き合うことの重要性についてもお教えしましたね。
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