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ITコスト削減事例6: 消費者金融F社

a0002_000877 今年(2016年)3月3日に発行させて頂いたAmazonのKindle本(電子書籍)「ITコスト削減 超入門」の中から、事例の部分を1つずつご紹介しており、今回が最終回です。
 
 F社はある基幹システムを導入された際に、ベンダーから導入後1年目はある程度の保守運用費用はかかるが、2年目からは大幅に減ると言われていたそうです。  

 しかし、3年目に入っても一向に減らない(年間数億円)ので、その原因が何故なのかを調べて欲しいと役員の方からご相談を受け、その保守運用契約内容とその履行状況の確認をさせて頂きました。  

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 そこで私は、受注元である大手ベンダーの責任者や常駐していた現場管理者、主要な担当者とF社の複数のユーザー部門の方々から個別に話を伺い、問題点を洗い出して整理しました。    


 すると、ベンダーの管理者が常駐しているにも関わらず、障害等の原因の徹底分析を行わず対症療法のみを施して、発生した障害対応や目の前のユーザー対応に追われていることが分かりました。


 そこで、私は障害の内容と工数が多く掛けられている作業を分析し(いわゆるABC分析)、ベンダーへの改善依頼事項と、F社がベンダーへの依存を大幅に小さくできるようF社側で改善すべき事項を提示し、それらの対する実行計画を策定させて頂きました。      




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《この事例6で知って頂きたいこと》

 こう書くとベンダーの方には叱られそうですが、ユーザー企業のシステムの保守運用作業においては、多くの場合、積極的には品質向上や生産性向上は行われません。  

 そうした意識に欠けている場合が多いのと、作業品質の向上などにより、作業の生産性が高まると所用工数が減ります。

 すなわち、SE等の単価が変わらなければ売上が減ります。ベンダーは売上減につながる作業を積極的には行わないでしょう。    

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 F社の例では、改善作業どころか行われるべき管理が全く行われていないことに驚かされました。現場に管理者がいるにも関わらずなのです。

 調査の中で、障害が発生したときに起票する障害記録票(呼び方はいろいろありますが、ここではこう呼びます)にある「根本原因」欄に「例外コード=9999で異常終了」と書かれた記録票を発見しました。

 皆さんはお気づきですよね。こんな根本原因があるはずがありません。


 皆さんなら「例外コード=9999」がなぜ発生したのか、そもそもその原因がなぜ発生したのかとWhyを繰り返して徹底究明するはずです。  


 さらに驚くべきことは、現場の管理者がこの記録票を承認していることです。
こんなことが繰り返されていたら、所用工数=費用が減るはずがありません。

 多くの場合、根本原因を追求していくと「人の作業ミス」に行き当たります。品質を上げるということは、この作業ミスの原因を突き止めて、同じミス、同様のミスが起きないよう方策を考えて手を打つことです。
 

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 その同じようなミスは他の箇所にも潜んでいるかもしれません。ですから、根本原因を追求して二度と同様のミスが発生しないように手を打つことが求められます。  

 根本原因欄に記入される原因は本当に「根本」でなければならないのです。重要なのは「誰がやったか」ではなく、それらを「どうすれば防げるか」なのです。


 こうした発見のために、ベンダーの作業現場に貼り付いている必要はありません。抜き取り検査を行うだけで簡単に問題や課題を発見できます。    

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 ベンダーはこうしたことを嫌うでしょうが、最終的に双方がWin-Winの関係になることがベストではないでしょうか。こうした指摘によって、ベンダーが忘れかけていた本来の「管理」を思い出してもらうことになります。  

 ベンダーのPMに対して不満をこぼすだけではなく、それ(優秀なPMは少ないということ)を前提として現状を改善するための行動を起こしましょう。


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