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ITコスト削減事例4: 信託銀行D社

  今年(2016年)3月3日に発行させて頂いたAmazonのKindle本(電子書籍)ITコスト削減超入門」の中から、事例の部分を1つずつご紹介しています。

 D社はグループ内に大手のSIベンダー(DS社)を抱えており、ほぼすべてのIT関連発注がそこに対して行われ、案件の内容によってはさらに別のベンダーに再発注されていました。 Sheikh Zayed road, United Arab Emirates
 D社のIT部門長(役員)から私へのご依頼は、大幅な保守運用費用削減の実現支援でした。

 D社ではDS社へ保守運用委託費用が年間100億円を超えており、何とか10億円以上の削減をしたいとの目標金額を設定した直接的なコスト削減依頼でした。   pixta_8000448_S  


 そこで私は、主要な契約書とサービス仕様書をすべて拝見し、作業内容に対して価格が高すぎると思われたSE単価をはじめ、気になった数100項目をリストアップし、面談でDS社に確認したり、D社にDS社と交渉して頂きました。  

 その結果、目標としていた10億円を超える削減を実現しました。すなわち5年で50億円、10年で100億円以上の効果になります。      


 また、お手伝いを通して、契約書の内容がD社に不利になっている条項が散見されましたので、例えば損害賠償請求額の上限や瑕疵担保責任期間、免責対象事項等についても改善提案を行い、担当の弁護士の方にバトンタッチしました。    





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《この事例4で知って頂きたいこと》

 この案件は金額が非常に大きいため、作業内容や見積り金額の精査だけではなく、トップ対トップでも動いて頂きました。

 ある程度私が下調べをした結果を銀行側の責任者にご説明し、情報システム子会社の責任者にトップダウンでコスト低減指示を出して頂くよう依頼しました。  

 相手が情報システム子会社の場合だけではなく、この案件のように取引件数と取引金額が大きな場合には、発注者側の責任者(役員)から受注者側の責任者(社長や役員)に直接コスト削減の協力を依頼することは非常に有効です。    


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 この案件では、SEの単価が世間相場よりも遥かに高くなっており、かつ全SEが一律単価になっていました。

 SE単価についてはベンダー各社の事情があり、一度単価を下げるとユーザー企業は次回必ずその単価以下での見積りを要求しますので、ベンダーは滅多のことがなければSE単価を落とすことはありません。    


 ですから、その単価の高さを世間相場と比較して指摘するのではなく、品質と生産性がその単価で妥当と感じられるかどうかを評価します。「この単価でこの品質?」とやる訳です。  

 おそらく数えきれないくらいの問題点を指摘することが出来るでしょう。こうすることで、総額での値引きが行いやすくなります。またこの事実(酷さ)は、トップ対トップの交渉にも有効に使えるでしょう。    


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 この案件ではハードウェアの年間保守料の異常値も発見しました。ベンダーにとっては面倒なことですが、ハードウェアの機器ごとの売価に対する年間保守料率を一覧で提示してもらいました。

 私の経験では10%くらいまでは大きな問題はないと思いますが、15%を超えるものについては理由を確認しましょう。  



 この事例では、28%、35%という異常値が見つかり、営業担当者のミスが原因であることが判明しました。チェックしなければ、そのまま毎年支払っていたところです。    


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