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ITコスト削減事例2: 自動車メーカーB社

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前回
に続き、今年(2016
年)3月3日に発行させて頂いたAmazonのKindle本(電子書籍)「ITコスト削減超入門」の中から、事例の部分をご紹介していきます。
 
 B社では、IT部門からではなく購買部門からベンダーの見積り金額の精査のご依頼がありました。購買部門として何度もIT部門にベンダーへの発注金額の透明性を求めていましたが、それが明らかになることはなく、両者の不透明な関係にメスを入れるべく、購買部門長が私に依頼されたという訳です。      



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 まず私は、ある開発案件の見積書の精査を担当させて頂きました。案の定「一式 ◯億円」という見積りでしたので、購買部門経由でベンダーに発注者側が理解できるよう具体的に内訳を提示するように依頼しました。    


 1週間の期限でお願いした再提出に2週間かかり、再提出された見積り内容も不明瞭な部分が多く、結局また再々提出を依頼せざるを得ませんでした。

 もし、きちんとした積み上げで見積られていれば、1週間もあれば内訳の提示ができたのでしょうが、2週間かかったという事実が、そうではなかったことを証しています。  


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 そして、さらに3週間を要した2度の再提出で見積り根拠がある程度見えるようになり、ムダな作業や見積りの重複、あまりにも低い生産性等が見つかりました。

 それらの説明をベンダーに求めることにより、自然に(買い叩くことなく)24.2%(約1億2500万円)の見積り金額が低減されました。    



 これも売上金額に換算すると25億円以上に相当します。お陰様でB社の購買部門からはこのあと「IT発注規定」の策定も含めて4回のリピート依頼を頂きました。      




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《この事例2で知って頂きたいこと》
 この例はA社の事例と同じで、ベンダーから提示された見積り内容を、自分が確実に納得して第三者に説明できるようになるまで、ベンダーに情報の提供を求めたことです。  


 私の経験上、多くの国内ベンダーは見積りの内訳提示に応じてくれます。「出せない」「出したことがない」「出さないことになっている」という一部の外資系ベンダーでも、場合によっては出してくれますので最初から諦めないことが大切です。  



 できればRFP(Request for Proposal:提案依頼書)に見積りの内訳の記載例を示したり、その提示の仕方を評価基準として加えることを知らせておいたりすると効果的でしょう。    


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 すべてとは言いませんが、多くのベンダーの見積りは「えいやっ」に近いものがあります。例えばこのB社の例では、4つのサブシステムで構成されていて、一応サブシステム単位での見積り金額は記載されていましたが、そこまででした。  

 ベンダーに言わせれば「詳細まで見えない段階できちんとした見積りはできない」ということかも知れませんが、少なくともサブシステム単位で赤字にならないように見積り作業が行われ、合算されて総額になっています。

 赤字にならないようにとなると、例えば作業単位でも「多め多め」に見積もられ、全体として雪だるまのようになってしまいます。    


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 ですから、見積りの内訳の提出、再提出を求めて、どのようにしてその金額(工数)を算出したのかを確認することで、「多め多め」の中の「明らかに多過ぎ」を発見することが可能になります。

 その「明らかに多過ぎ」部分をベンダーとの確認の中で、「これは明らかに多過ぎですよね」と指摘することで、ベンダーもそれを認めて簡単に(自然に)その「明らかに多過ぎ」部分が削ぎ落とせます。



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