すぐ(スグ?)に身につくコラム
「ITコスト削減超入門」より

今回から数回に分けて、今年(2016年)の3月3日にAmazonのKindle(電子書籍)で発行させて頂いた「ITコスト削減超入門」の内容を少しずつご紹介させて頂きます。
今でも皆さんの関心が非常に高い「ITコスト削減」ですが、ご存じのように2008年9月に発生したリーマン・ショックが大きなきっかけの1つでした。
しかし、業種によってはリーマン・ショック以前から少子化やデジタル化への移行による近い将来の経営悪化を見越してITコスト削減を始めていた企業でも、リーマン・ショックがさらに活動に拍車をかける結果になりました。

以降、経営者の指示のもと、他部門によるコスト削減活動と並行してIT部門(情報システム部門)を中心とした「ITコスト削減」活動が進められました。
当時は社長などの指示により、新規のIT投資の凍結、保守運用費用の30%削減など、明確な目標値が設定され、IT部門が現場(ユーザー部門)やSI(System Integration:システム構築)ベンダー企業(以降、「ベンダー」と記載)と調整しながら多くの企業で削減目標を達成しました。

しかし、あれから何年かが経過して、現状はどうでしょう。2015年10月にこのコラムに「ITコスト削減の抵抗勢力はIT部門だった」という記事を書いたのですが、まさに今、IT部門がいつの間にか一転して「ITコスト削減」の抵抗勢力になってしっているところもあるのではないしょうか。
「ITコスト削減」を進めようとすると、IT部門の方がどちらかと言うとベンダーサイドに立って、ベンダーの仕事ぶりや単価面でベンダーを擁護するような発言をしていませんか?
あのリーマン・ショック直後の熱さが喉元を過ぎ去ったのではないでしょうか。

私は過去、IT部門からのご依頼でITコスト削減のお手伝いをさせて頂くことも多かったのですが(特にSI領域)、ある自動車メーカーのITコスト削減のお手伝いをさせて頂いたときに、ご依頼元は購買部門で、「IT部門はベンダーと馴れ合いで、コスト削減が期待できない」と購買部門長の方が仰っていたのを思い出します。

※ご存じのようにITコスト削減の対象はいろいろあり、ハードウェアやパッケージを含むソフトウェア、それらの保守運用、ネットワークサービス、クラウド・サービス、技術者の派遣サービス等、さまざまのものがありますが、このコラムでご説明する対象はSIベンダー企業のSE(Systems Engineer)やプログラマー等による情報システム(ソフトウェア)の構築と保守運用に関する「SIコスト」の削減とさせて頂きます。
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