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検収の上手いやり方

FullSizeRender-3 前回(「プロジェクトの『管理の管理』」)に続いて、今年(2016年)の2月4日にAmazonのKindle(電子書籍)で発行させて頂いた、「ベンダーマネジメント超入門」の内容を少しずつご紹介させて頂いています。

※「日経コンピュータ」誌2016.6.23号掲載 上山 浩弁護士寄稿の「民法改正で変わるシステム開発委託契約」によりますと、民法の改正が進められており、このコラムで触れている瑕疵担保責任の請求期間が「システムの引き渡しから1年以内」から「欠陥を把握してから1年以内」に変わるそうです。


 

a0001_014255 のコピー 検収作業では、ベンダーに開発を委託したITが依頼通りに完成し、指定したドキュメントも合わせ漏れなく納品されたことを確認して、支払いを約束する社印を押しますが、ご承知の通り、この社印は非常に重要な意味を持ちます。「納品物に問題はありませんでした。対価をお支払いします」と宣言している訳です。

 

 多くの場合、検収後に発見される不具合は瑕疵担保責任期間内であれば、無償で修正してもらえますが、その期間を過ぎると例え業務に支障を来すような不具合でも有償で修正してもらうことが必要になります。ソフトウェアの瑕疵担保責任期間は一般的には1年ですが、その起算日は検収印が押された日です。

 

a1180_005713 私がお手伝いしたある企業で、本当にあった嘘のような話をお聞きしました。

 

 ある超大手のベンダーに開発を委託した数億円規模の大きなITの導入だったのですが、不具合が多過ぎてシステムの稼動開始の延期を検討しているときに、そのベンダーの営業担当者が「間違いなく何とかしますので、検収印だけ頂きたい」「うちのような会社が嘘をついたら大変なことになる」「私を信じて」とか何とか言って、検収印を押させられたそうです。

 

 それはある年の3月で、営業担当者としては自分の成績に関わるので必死だったのでしょう。そして、結局システムの稼動開始はそれから半年遅れたそうです。

 

a0002_006864 皆さん、お気づきでしょうか。この契約の瑕疵担保責任期間は1年でした。検収印が押されてから1年です。と言うことは、システムが稼動し始めてから無償で不具合を修正してもらえる期間は残り半年だけになってしまったのです。

 

 ところが、それでも不具合が治まらず、あっと言う間にその半年が終わりに近づいてきたときに、そのベンダーの責任者からご丁寧に、「今3月末で瑕疵担保責任期間を終了しますので、保守契約を結んで下さい」との文書が届いたそうです。

 

 話を検収の話に戻しますが、大量のドキュメント、多機能の複雑なIT全てを限られた期間で精査し終えるのはほぼ不可能です。

 

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 ITが要件定義書や仕様書通りに出来上がっているかどうかの確認は主にユーザー部門の方が行いますが、現場の作業もあり、仕事の山谷もあります。ささっと見て「OK」を出してしまう可能性も小さくありません。ですから、ベンダー企業にまとめて納品してもらうのではなく、何度かに分割して納品予定の物を提出してもらうと良いでしょう。

 

 もちろん任せっきりではなく、ユーザー部門の方々が計画通りに検収(確認)作業を行っているかどうかのチェックも必要ですよね。


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