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RFP作成の目的


  「ベンダー選定の手順(概要)」
でも書きましたが、RFP(Request for Proposal:提案依頼書)に記載する内容には、殆どの場合企業秘密が含まれます。

 ですから、ベンダーにRFPを渡す前に、まず秘密保持契約書(NDA:Non-disclosure agreement)を事前に取り交わしておきます。  



 RFPを発行する際に、対象ベンダーに事前に秘密保持契約書を送付あるいは手渡しし、内容の確認後押印の上返却してもらっておきます。  


 場合によってはベンダーから秘密保持契約書の修正の依頼があるかもしれません。  


 RFP、秘密保持契約書ともに郵送する場合には、RFPと秘密保持契約書を同封して、秘密保持契約書の内容に問題がない場合のみRFPを開封して良しとして、合意できない場合には、RFPを開封せず返却してもらうようにしても良いでしょう。      



 さて、RFPの目的は何でしょうか?  

 まずは、より良い(適切な)ベンダーを選定することですが、以前のコラムでも書きましたようにベンダー選定に関する説明責任を果たすことも目的としてあります。  


 適切なベンダーを選定するためには、何が欲しいのか何故なのかを具体的に且つ正しくベンダーに伝える必要があります。  

 また、各社からの提案を比較評価するためには、提案書に何をどのように記載して欲しいかを具体的に伝えておく必要もあります。  


 ベンダーを選定する上で、ベンダーの考え方を聞いておく必要もあるでしょう。例えば契約書の条項についてです。      



 ITの構築や保守運用は、すべて人手で行う作業ですので、ミス(不具合)がつきものです。
 


 たとえ自動化(機械化)されている部分でも、その自動化ソフトウェアは人手によるものですのでお忘れなく。



 それが原因となったシステム停止等のトラブルによる損害賠償請求額や対象範囲がたびたび問題になります。          



 発注者としては、どのような損害を被る可能性があるか分からないので、損害賠償請求額には上限を設けたくありません。
 

 しかし、ベンダー側はそれではリスクが非常に高くなるので、契約金額等を上限にしたいと考えます。          

 こうした問題の調整と合意には時間がかかります。  



 発注するベンダーを決めてから、こうした契約条項の調整を始めるとプロジェクトの開始そのものに遅れが出てしまう可能性が高くなり、多くの場合、発注者側が諦めてベンダーの主張を通してしまうことが多々あります。

   このように、契約条項の内容でもめると結果として発注者が不利になってしまう可能性が非常に高くなります。    


   
 ですから、そんな重要なタイミングでもめたり不利になったりすることがないよう、RFPの段階でベンダーに考えを聞いておくことをお勧めします。  

 確かにRFPの段階で聞こうがベンダーが決定してから聞こうが結果は同じかもしれません。  




 しかし、この段階で確認しておくことで、ベンダーの比較評価項目にもできます。また、RFPの段階では受注意欲の高いベンダーが他ベンダーの出方を読みながら、少しでも発注者の考えに歩み寄った回答をするかもしれません。          



 プロジェクトの中で「RFPが唯一発注者側が優位に立てる場」と言っても過言ではないと思います。


 ですから、発注者の立場からの要求や希望はすべてRFPに盛り込むことをお勧めします。      



※ 次回から、RFPの内容や書き方についてご紹介します。    



   

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