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ITオンチ社長のために:東京湾アクアライン的IT投資


 前回
まで”作られた”定量効果の話を書いてきましたが、あなた(社長)はまさか定性効果だけで承認印を押してはいませんよね。私はよく「東京湾アクアライン」の話をします。
 
 東京湾アクアラインは、川崎と木更津間(15.1km)を結ぶ幹線道路で、1996年に完成しました。  


 その計画にいくつかの目的が書かれているのですが、私には作ることが目的で、効果を実現しようという気がなかったとしか思えません。  





 その効果として上げられていたのが、例えば  


  ・東京湾の総合的発展

  ・東京一極集中の是正

  ・東京湾岸道路の渋滞緩和

  ・成田空港へのアクセス向上  

です。      




 あなた(社長)の会社のIT投資起案に、まさかこれに近いことが書かれていませんよね。  



 この4つの目的ですが、それぞれ何をもって効果を実現(達成)できたと言えるのでしょうか?
 


 「東京湾の総合的発展」とはどういう状態にあれば総合的に発展したと言えるのか、「東京一極集中の是正」は何をもって是正されたと判断するのか、「東京湾岸道路の渋滞緩和」とはどういう状態になれば緩和できたと言えるのか、「成田空港へのアクセス向上」とは、どうなればアクセスが向上したと言えるのかです。  


 どれも目的が曖昧で抽象的目的の羅列ですよね。      



 結局この東京湾アクアライン、工事費は当初計画の25%増(1兆4409億円)となり、開業直後の需要は計画の30%弱だったそうです。  


 それが最近でもまだ計画の38%だそうです。1日あたり1億円超の赤字を出し、支払い金利が料金収入を上回っている状態が続いているようです。  


 あなたの会社で導入したITに似ていませんか?  



 おそらくは計画段階で根拠のない夢の数字を積み上げたのでしょう。前回私が書いたこと(ウソの定量効果)とそっくりではありませんか。  


 そしておそらくは議会の承認を得るために貴社と同様(?) 、超楽観的数字を作ったのです。    


 そして誰も結果責任を問われません。こんなことでは毎回同じことが続くと思いませんか。  


 確かに、有れば便利です。でも投資金額(血税)に見合う効果が出ているでしょうか。  



 貴社のIT投資は税金ではありませんが、金利を負担しなければならない借金で行われていませんか。もし株主に追求されたらどう回答しますか。
 



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