タグ: , , ,

ITオンチ社長のために:騙されてはならないIT投資効果(前編)


 あなたは社長として、IT投資案件の承認を持ち込まれたときにどこまで真剣に内容を確認していますか。

 
 他の役員や経理部長、事業部長等が既に押印していれば、内容を十分に理解しないまま、それらを信頼して押印していませんか。  




 記載されているIT導入効果の多くが作文されていることに気付いていないでしょう。それは、あなた(社長)や役員がサイン(押印)しやすいように数字が作られているからです。      



 多くの場合、IT投資に関する計画が具体化してきたときには、その関係者の頭には効果のことしかありません。  


 何とか問題や課題を解決したいという強い思いで、プロジェクトを起こして活動を開始します。      





 しかし、IT化対象領域が決まり、IT投資に関する起案(企画書、稟議書)を書き始めたときに、多くの場合関係者の心に悪魔が忍び寄ります。  


 特に想定効果を計算して数字で記載するそのタイミングです。      


 ITの世界で効果を表現する場合、数値で表現できる効果を「定量効果」と呼び、数値で表せないような効果を「定性効果」と呼びます。  



 例えば、画像を二次元表示から三次元表示に変えることによる効果などです。  


 どうしても三次元表示を実現したい人たちは、無理矢理その効果を数字で表現しようとします。しかし、多くは明確な根拠がありません。    



 大昔の私自身の経験ですが、それまでANK(英数カナ)表示しかできなかった端末に漢字ひらがなも表示できる端末に置き換えようとしたことがありました。  


 また、モノクロの端末のカラー化にも携わったことがありますが、「読みやすくなる」「(違いなども含め)見やすくなる、判断しやすくなる」といった定性効果はすぐに具体的に書けましたが、数値効果は簡単には出せませんでした。  



 しかし、IT投資である訳ですので、社長に承認してもらうには効果を数字(効果金額、利益)で示さなければなりません。  


 そこで、「読むのに10秒かかっているものが、3秒で読める(認識できる)ようになる」という作文が始まる訳です。  



 縮まる7秒を1日当たりや年間の時間に換算し、社員数を掛けて生産性の数字につなぎます。  


 そして余裕が出た時間でこういう新しいことをして、これだけの利益に貢献するという(根拠の薄い)作文です。素晴らしいでしょう。今でも笑えます。


>>> 後編に続く  




※(株)プラッサムの「ITコンサルティングサービス」のご案内は こちらです。

※Amazon Kindle本「IT投資管理超入門」は、