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ITオンチ社長のために:IT予算の現状


 あなた(社長)は自社のIT予算の規模をご存じでしょうか。売上高の何%程度を毎年ITに当てているでしょうか。

 
 JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)が毎年発行している「企業IT動向調査報告書」の2017年版(調査は2016年度)によると、業種による差はあるものの国内企業の平均は約1%(対売上高比)です。  


 ただ金融のみ6%超と群を抜いていますので、金融を除くと業種により0.5%から1%の範囲と覚えておいて良いでしょう。  


 ちなみに米国では日本の平均の1.5倍から2倍のIT予算が取られています。      



 次に、IT予算のうちどのくらいが新規投資に、どのくらいが既存ITの保守運用に当てられているかご存じでしょうか。  


 巨大な新規投資案件がなければ平均的にIT予算の約三分の二が既存ITの保守運用に当てられ、新規投資には三分の一しか当てられていません。(企業IT動向調査報告書2017によると約44%)  



 つまり、10億円のIT予算があったとして、7億円弱が既存ITの保守運用に取られ、新規IT投資には3億円強しか回っていないのです。  


 あなた(社長)はこの事実をご存じでしたか。      



 そして、3億円をかけて導入したITは、稼動を開始すると毎年6,000万円から7,000万円の保守運用(ランニング)費用を必要とするようになります。  


 一般的なITの年間保守運用費用は、導入費用の20%から25%と言われています。例えば20%として、5年で保守運用費用の累計が開発費の3億円に届いてしまうのです。  


 ですからIT投資においては、開発費の回収のみではなく、保守運用費用の回収も念頭に置かなければなりません。つまり、それ以上の明確な効果が出なければならないのです。      



 リーマンショック(2008年9月)の遥か前、日産自動車が2000年から2001年にかけて既存システムの保守運用費用を大幅に削減して、新規投資を拡大したことで注目を集めました。  


 また、役に立っていないITを「不良IT資産」と呼び、それらの廃棄を勧める動きもありました。  



 それほど、既存ITの保守運用費用は企業にとっての大きな負担になっていました。  


 いまでも貴社のITが費用を上回る明確な効果を生んでいないとすれば、それらは明らかに不良資産です。    



 不良IT資産も最初からそれを狙って開発されたものではないことは明らかですよね。そんな投資を社長が許すはずがないですからね。  


 その不良資産化してしまったITも、最初は当然ながら優良資産にするつもりが結果として不良資産になってしまっているのです。  



 IT予算の三分の一しか回せない新規のIT投資で大規模な不良資産を作ることになってはならないのです。
     




 作ってしまった不良IT資産は、先に書いたように、その開発費の20%から25%が毎年保守運用費用として企業の無駄な負担を作ってしまうのです。  


 このことを絶対に忘れてはなりません。      


 優良資産化のつもりがなぜ不良資産化してしまうのかについては、次回以降のコラムでご説明します。一般企業は不良資産化への落とし穴だらけなのです。      



 あなたは、自社の優良IT資産(システム)の名前を上げられますか。そして不良IT資産を指摘できますか。
         



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