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あるベンダー企業からの問合せ


 主にユーザー企業向けのこのサイトに、珍しくベンダー企業から問合せが入りました。皆さんの参考になるかと思い、掲載させて頂きます。


<以下引用>
 はじめまして。 ◯◯の〇〇と申します。

 わたしはベンダー側の人間なのですが、最近顧客から価格交渉が多く、ほぼ全てが根拠のない感覚的なもののため、いくら事実説明をしても、不審がられるばかりです。

 何か改善策が無いかと思い、問い合わせさせて頂きました。

<以上引用>  


<以下 私の返信>

〇〇 様 
 この度はお問い合わせを頂き、誠に有り難うございます。

 状況が具体的には分かりませんので、ご回答が難しいのですが、最も見積りが難しい要件定義工程以降の見積りをどうお客様にご説明するかにつきまして、書かせて頂きます。      




 一般的に開発工程の見積りは、
 「見積り工数」×「単価」
 ですよね。  

 「単価」につきましては、(データを基にした)相場との比較、要員一人ずつの例えばITSSスキルレベルで、その単価の妥当性を説明することができます。




 次に工数ですが、どのようにして、その所用工数を算出したか具体的な見積り根拠を示してご説明することにより説得力が高まります。
 


 何故仕様書1ページあたり作成に 1.5時間も掛かるのかといった場合、作成に平均45分、検証2回分でおおよそ20分、修正と確認に平均的に25分、、、といった説明が出来ます。    



 貴社内には過去の実績データがあると思いますので、お客様にお見せしないにせよ、自信を持ってその単位時間を具体的にお客様が理解できるように説明できると思います。


 また、要件の追加や変更につきましても、貴社内のデータを基に、「一般的に要件の追加や変更で所用工数が25%膨らみますので、こうして算出した所用工数に1.25を掛けさせて頂いています」と説明できます。  



 この25%を10%にするのか、35%にするのかは、お客様との交渉で決めれば良いですし、貴社内のデータがあれば、(お客様に見せないにせよ)自信をもってその正当性を説明できると思います。

 「25%」の許容範囲を超えた場合には、追加費用を頂戴するかもしれませんとも言っておけます。要件の確定度合いが高ければ、0%で良いでしょう。


 (言うまでもなく、貴社側の要件定義能力の問題は別です。)




 以前IBMさんが「ソフトウェアは人月ではなく価値を買って欲しい」と仰っていたことがありますが、車や家など、目に見える物で、ある程度相場観がお客様にあれば、IBMさんの言い分も分かります。  

 しかし、ソフトウェアという目に見えないものの値段の妥当性(価値)は一般的には分かりません。
 もしそれを言うなら比較できる目に見える物をお客様にお見せする必要があるでしょう。



 また、例えば自分のお金で自動車や家を買うとなると、いろいろ比較したり、オプション1つひとつについても調べると思います。

 それが高価な、かつ、目に見えないソフトウェアを購入(調達)する立場の人の思いです。


 ですから、そこを理解して、お客様に可能な限りの安心感(納得感)を与えることが求められます。



 「事実説明」をされているのに「不審がられる」理由は、(どのような事実説明をされているのかは分かりませんが)そこにあるのではないかと思います。  


 以上、推察ばかりで恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。    



※ (株)プラッサムの「見積り妥当性評価支援サービス」のご案内はこちらです。